留学のS. A. C.に関して

今回,イギリスに行くのはボクを含めて4人.去年までの留学生は結構みんなで旅行してたりしたので,今年もそのつもりでいたのだけれど…どうも今年はスタンド・アローンで行動する人が多いようだ(ということで,タイトルはStand Alone Complex).

「意思疎通をしっかりするように」とのお達しもあったことだし,ボクは当初,自分で知った情報を能動的に周知するようにしていた.だけど,そのうち皆の解釈は違うことが分かった.つまりは「分からなかったら訊く」「訊かれれば答える」という…確かにこっちのほうが「相応」なやり方だと思う.ボクも能動的に訊いてこない限り,説明を控えることにした.

それから,学校のカンバンしょって行くわけだし,いろんなところに見学に行く機会もなるべく共有したほうがいいだろうと考えてたんだけど,それも別に…であることが分かった.4人のうち,少なくとも2人は普段話さない人なので,交流を深めるいい機会だとも思ってたんだけど…まぁ,さすがに入学して4年も経つと,新たな人間関係ってのも難しいってことだよね.

同行の3人はボクより5つも年下だけど,ボクより5つは年上だ(精神年齢的に).だから,一緒にいると彼らを育てるどころか,逆に「おんぶにだっこ」状態になってしまう.実際もうすでにナメられている節もあるし,ボクも他の3人と別行動したほうが成長できるだろう.そのほうが,変なコンプレックスにも悩まされずに済む.

我々の間には「チームプレイ」などという
都合のいい言い訳は存在せん.
あるとすれば,スタンドプレーから生じる
「チームワーク」だけだ.

という荒巻(『攻殻機動隊 S.A.C.』)の言葉のように…つまりはそういうことなのか.

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家庭医もいいなー

今日は,英国家庭医学会の元会長であるネイバー先生と,日本人初の家庭医専門医となった澤先生による講演会.

非常にインプレッシブで,いい講演だった.家庭医ってのがどんな仕事か,日本の「かかりつけ医」や「総合診療医」(総合病院で何科に当てはまるか分からないような患者さんを診察する医師のことデス)とどう違うのかっていうのがよく分かった.日本のいわゆる「街医者」より,かなりいろんな仕事をやっている印象.風邪から精神疾患やガンの終末ケアまで…って結構これ大変だな、おい!!(でも,正直今まで総合診療医になろうと思ってたんだけど,ちょっと家庭医に心が揺らいだ)

公衆衛生学の小論文を書いたときに,最近のイギリスの医療事情が分かりにくいなって感じたんだけど(邦訳のレポートはブレア政権時代のものが多い + 現地の記事を読んでも実際の雰囲気がよく分からない),その辺についてのアップデートでリアルな情報も聞けた.イギリス国内でいかに「家庭医」という存在が市民の信頼を獲得してきたか,これからも予防医療の側面で重要になっていくか,政治的な話も絡んできて,ちょっとピリッと刺激的.

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留学準備 04: 住むところ

ようやく入居する学生寮が決まった.

今までの派遣生が使っていた寮がリフォームのため今年いっぱい閉鎖されるようで,代わりに入る寮の提案はもう5月の段階で頂いていたんだけど…そのあと全く音沙汰なし.と思えば,7月末にエントリー用ウェブサイトへの自動案内メールが届き(しかも4時間後には2通目に「これが4回目のリマインダです」と書かれたご丁寧な警告まで届いた),いきなりの「今週いっぱいにエントリーしないと寮の割り当てができないことがあります」という一方的宣言にアタフタ.え?なにこれ5ヶ所登録しなきゃいけないシステムになってるんだけど…

スクリーンショット

てな状態で,なんとか登録はしたものの,ちゃんと希望の寮に入れるのかさっぱり分からない状態だった.まぁ,似たような場所にあるから構わないっちゃ構わないのかもしれないけど,やっぱり設備が,そして寮費が結構違うので.

そして今日,やっと決定のメールが届き,最初の提案どおりのところで一安心.去年の寮はシャワー・トイレ共同(しかも男女共同)で,男子が入ってるところにいきなり女子が入ってきたことがあったらしい(ちなみにこの話を他の人にしたら「相手にもよるけど最高」という意見が多かった…本当かよ!つかほとんどハズレだろJK!!).その点,今年はスイート(!)なので各部屋にちゃんと付いている.まぁ,費用的にはそこそこ割高になるんだけど,こっちのが気楽でよかった.言葉を身につけたいってことでホームステイを選んだ子もいて,そのほうがよかったのかなぁ?って思う部分も実はあったりするけれど,さすがに5ヶ月間ずっと他人と暮らすというのもしんどい.

ちなみに,寮費の支払いはクレジットカードになるんだけど,こいつがサーチャージ(手数料)を1%ちょっと取られるっていうクセ物.調べてみたら,イギリスではクレカ扱いの手数料を客に転嫁させてもいいことになっているらしい.今日は前金だけだからいいけど,これ5ヶ月分の寮費を払うとなるとかなりの額なんだが…

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アメリカ臨床研修報告を聴いて

アメリカに臨床研修を受けにいった6年生が帰ってきたということで,その報告会を聴きに行ってきた.

…クオリティ高す.いや,実際に医療に携わるってだけでも凄いと思うのだけれど,現地の臨床教育を見た経験から,自分たちの大学の臨床教育の問題点を洗い出し,改善案を出すところまで求められているのね.卒試勉強を控えた,限られた時間の中で,教職員を前にプレゼンするとこまで持ってくって,かなり大変だ.でも,これが本来の留学なんだよなって感じもした.

それに比べれば,今回の4年生の留学など児戯に等しい…って,分かっちゃいたけど,でも実際,先輩に直接言われてしまうとめげる.

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交換留学同窓会

今日は過去の交換留学生も呼んでの同窓会.今年派遣される私たちの激励会も兼ねている…はずなのだが,みんな帰省した時期にやったおかげで同学年の参加者が私だけという.どうなのよ?(まぁ,例年似たような状況らしいのだけど…)

交換留学を担当する先生が,ちょっとだけ顔を出してくださった.曰く,この大学は知音とも言えるような大親友を得るのに恵まれた環境だと.また,在学中の一番の思い出を尋ねたとき,他大の学生がバイトやサークルを挙げるなか,この大学では大学生活そのものを挙げる学生が多いのが違うと(これに関しては,前者の答えって社会人としてどうなの?っていう話だけど).ちょっと宣伝がかっているというか,それ他の大学だってあるでしょ?…という部分もあるけれど,一定程度は納得.まぁ,少なくともみんな頭はいいし,志も高いかも.

少なくとも,こうした交換留学があるという点は恵まれた環境と言っていいだろう.これだけ外と,海外とつながっていこうという志向は(少なくとも私がいた頃の)東大では感じられなかったところで,そこはあとから,実力でのし上がっていく努力を運命付けられた後発大学ならではだったんじゃないかという気がする.日本人はゼンゼン英語がしゃべれないと思われていること,むしろ日本人は日本のことを知っているようで知らないこと,心に留めてあと1ヶ月がんばろう.そしてその先の5ヶ月間につなげていこう.

ちなみに,来てくれた中での最上級生は研修医だったんだけど,これがなんと高校の同期だった.先方は私を知ってたんだけど,全く記憶が…たぶん在学中には一度も喋ったことがないんだと思う.とりあえず,昔の同窓生を思い出せないのは今に始まったことではないので,もう慣れました.二度目の大学生活で,同窓生が大先輩になったり,大後輩が同級生になったりというややこしさにもね.

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