CCの先は見えるか

前に所属していたラボの教授が今年で退職ということで、昨日その最終講義を聴講してきた。

キャンパスに足を踏み入れただけでトラウマティックな記憶が蘇る。教授や准教授と会っても、互いにかける言葉が見つからない。やっぱり波長が合わないというか、まぁ向いてなかったんだなぁと改めて思う。我慢して在籍していれば、今頃もしかすると博士号を取れていたのかもしれないけれど、全く後悔は感じず…そこまでして肩書き取っても仕方ないし、取ったところでポスドクとか企業戦士とかやっていける柄でもなし。

そんな後ろ向きのことより、これからのこと。いよいよ臨床実習だし、卒後どうするかも考えなきゃいけない。とりあえずは手に職を…という状況にあるので、まずは変に研究者コースに進んだりせず初期研修を受けるのは確定。その後は臨床を続けず、いったんイギリスで学位を取ろうかなぁと妄想。となると、受け入れ態勢や症例の豊富さという面はもちろん、研究職への動きやすさという点でも、大学附属病院で研修をしたほうがいいのかな。

臨床で医療に携わるにせよ、研究室で医学を修めるにせよ、ずっと同じところにとどまることはできない。勤め先の体制や方針にもよるけど、ずっと勤務医を続けることは厳しいし、研究室ではいずれPIになって一線からは退くことになる。個人的には転戦していく生き方のほうが合っているので、それ自体は構わないのだけれど、それでも自分がライフワークとする「軸」は見つけなきゃいけないなぁと思う。言語とか精神疾患とか脳科学とか、たぶんその辺が私の興味の中心なのかなぁ…って予感はしているけど、それを確かめる作業も必要になってくるだろうな。

そう考えると、残り2年の学部生活でやることはいっぱいありそうだ…もっとも、その前に手元の論文をまとめなきゃいけないんだけど。

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今週は最悪。リアルに人生オワタ。

やっと冬学期が終わったけど、最後の一週間は最悪だった。

  • 火曜日
    朝、電車で寝過ごしたりなんだりしつつ、グダグダの出国。
  • 水曜日
    帰国 → ポスター作成の続き
  • 木曜日
    留学生のキャンパス案内とかいろいろ手伝い → 21時に帰宅してポスター印刷 O/N
  • 金曜日
    グダグダのポスター発表。留学でお世話になった教授に挨拶しなかったら大憤慨。一眼レフカメラを紛失。
  • 土曜日
    謎の合宿研修。留学生との話は進まず、飲み会でもぼっち。悲痛な気分に。
  • 日曜日
    謎の合宿研修。ガイダンスの担当が大憤慨された教授だったため、ガイダンス中にめっちゃ弄られる。悲痛な気分に。
  • 月曜日
    寝起きでなんとかパワポを完成させ、大憤慨された教授にプレゼン。← いまここ

ポスター発表の日に教授にご挨拶しなかったのは、単純に怯えていたっていうのもあるし、徹夜で疲れていたし、特に教授も話しかけて来ないならいいやって思ったんだと思うけど…まぁ失敗だった。当然だよね。いま考えれば、なんで挨拶もしなかったのかよく分からない。いずれにせよ、通り際に震えながら激怒されたときには「終わったな」と思った。実際、来年度からは附属病院長になられるので、実際にキャリア的な意味でも終わっただろう。それでも、まだ面と向かって怒られただけマシなのかもしれないが…いずれにしても、あまり考えないようにしよう。

区切りはきっちりつける方なので、今日は特に厳しい当たりもなかったけれど、それでも敢えて触れないようにしようという意思は伝わってきた。お土産を持参したけれど、特にお土産を買っていない子もいたので、他の子のプレゼントも一緒にまとめて「全員からです」って渡した。もとから関係を修復できるなんて期待していないけど、それでも、他の女子の評価が上がるだけなんだろうな…って思うと、どんだけお人好しなんだよ!って自分でもヘドが出そうになる。それでも、媚びを売ってると思われるよりはよっぽどマシだと思って、自分なりに選んだ結論なんだ。決めた以上は、もう考えないことにしよう。

…とは言っても、やっぱり考えてしまうけどね。まぁ、でも気分は切り替えよう。再試もあるし、CBTやOSCEに向けた勉強もはじめなきゃいけないし。

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あなたのテーマはなんですか…15分以内で答エヨ

今日は教育担当の先生に向かって、研究報告のプレゼン。

ちなみに、金曜日のポスター発表は惨敗だった。まぁ、練習をしていないどころか、そもそも英語で喋るのか日本語で喋るのかすら定まってない状態では当然というものだろう。

導入として、問題となっている背景のことと自分の研究の目的について、ざっと1, 2分。方法はできれば軽くすっ飛ばして、実験結果に4分ほど。考察とまとめに2分。これで合計8分くらい…少しは質疑応答の時間が取れるかな?というのが理想らしい。にもかかわらず、実際に喋ってみたら話し忘れることがボロボロ出てきて、その度に話はあっちへこっちへと…結局、方法を話し終わった段階で6分も経っていて、肝心の結果と考察は意味不明な状態に。スピーチ自体は8分ギリギリだったみたいだけど、結局は質疑応答があるから時間オーバー。タイトなスケジュールだったから仕方ないとはいえ、ポスターを前日の深夜に刷り始めてる時点で結果は見えていたんだけど(しかも途中で印刷用紙がなくなり、この年で親に協力してもらって徹夜で紙を切り貼りするというでサイテーっぷり…)

そんな始末だったので、今日のプレゼンでは同じことを繰り返さないと決意。今日は質疑応答を含めて15分の予定だったので、背景2分-方法3分-結果3分-考察3分で計画した。ポスター発表のとき、方法論の説明にかなりの時間がかかることに気づいたので長めにしたけれど、ふたを開けてみたらそれでも短かった…でも一応、時間内ギリギリには終わったので、まぁよしとする。

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研究を振り返る

2時からキッチンで教授を交えてディスカッション、ということでドギマギしつつ部屋に向かったら…ティーパーティのセッティングがされていた。私のお別れ会ということで、サプライズだったらしい。嬉しいけれど…なんか気持ちの晴れない日が続いているせいもあって、あまり盛り上がれなかった。申し訳ない。

でも、もうすぐ研究室生活も終わりなんだと思うと、少し寂しい気分になる。まだ何日か残っているけれど、ここらでイギリスのラボで4ヶ月間過ごした感想をまとめてみようと思う。

所属していたのは、筋骨格系の研究室が数年前に1フロアにまとめられたという、比較的新しい研究室。事務員もセミナーも共有しているけれど、研究自体はいくつかの研究グループに分かれてやっていて、互いの研究テーマがゆる〜くつながっているような感じ。扱っているテーマは関節のモデリングだったり骨の微細構造だったりと、まぁいろいろあって、その中で私のリサーチチームはスポーツとリハビリのバイオメカニクスがテーマだった。

いろんなバックグラウンドの人がいたけれど、もともと理学療法士から出発している人が多かったかな。より外科的なテーマのグループには医師も多かった。病院に隣接していて、病棟勤務と掛け持ちで研究をしている人なんかもいて、だから結構みんなモチベーションが高い。日本に比べたら短いかもしれないけれど、それでも9時6時で働いているのはイギリスでは真面目なほうだ(そしてそこに11時頃のんびり現れる私…行きづらい!生きづらい!!)

いろんな国から、いろんな人が来ては去っていった。例えば、お昼ご飯をいつも一緒に食べていたポスドクの人は、ギリシャ出身のプログラマーだった(データ処理や3D画像構築にプログラマーの力が不可欠なのです)。隣の研究室の、うんちく豊富な講師の先生は自然史博物館で研究員をやっていた方。他には、アメリカでフィギュア選手(!)だった院生や、私の先輩のように勤務の合間にパートタイムで院生をやっている人とか…ほんといろいろ。出身地も、イギリス含めたヨーロッパ諸国はもちろん、北米やシンガポール、そして中国からと様々。こっちの学生にとっては“海外に進学する”というのがごく普通の選択肢だという(つまり「留学」という概念がない)ことは、凄く新鮮な発見だった。

そんなわけで、いろんな人といろんな話ができる環境だったのだけど…残念なのはそれを十分活かせなかったこと。やっぱり、言葉の壁が大きかったね…アカデミックな話ならまだ大丈夫なんだけれど、ネイティブの日常会話になるとついていくのも大変。あと、どうしてもスポーツをメインに扱っている研究室ということで、みんなスポーツ好きなわけで、そんな話の中にスポーツ嫌いの私が飛び込んで話をするってのがなかなか厳しかったというところも。

そんなわけで、教授はおろか、指導してくれるポスドクの方ともコミュニケーション不足になってしまった。結果として無用の不信や猜疑心が生まれ、狡猾な策略や意味不明な欺瞞を引き起こし、ちょっと関係がぎくしゃくしてしまった(冒頭で「気持ちが晴れない」って書いたのはこのため)。そこはちょっと、お互いにとって不幸なことだったね。ダメだね…もっと外国語を実践的に学ぶべきなのはもちろん、自分を積極的に表現していくスキルも身につける必要があるんだと思う。ダンススクールを見学したときに、これは私に限らず、日本人の多くが抱えている問題なんだと思った。じゃあ、具体的にどうしたら?って言われると正直分からんのだけど…これは日本人への宿題っていうことになるのかな。

でも、それを差し引いても、今回の研究生活は充実していた。なにより、人生で初めて研究内容に面白さを感じ、やりがいを見出せたことはとてもいい経験だったと思う。こんなクズ人間でも、適切なテーマに出会って、刺激的な環境にさえ曝されれば、なんとかやっていけるんだなぁと。そうやって自己肯定感を得られたという意味でも、まぁ多かれ少なかれ「留学」したメリットというのはあったのだろう。

水木金月…残り4日間。少しでも学生の本分を果たせるように、少しでも研究室に貢献できるように、精一杯やっていこう。

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プレゼンがうまくなる方法=見てもらう

これから研究室配属される学部生は,今その前座に当たるトレーニングを受けているらしい.たぶん,情報検索の方法とか,論文の読み方とか,そういうのだと思うんだけど.とにかく,それをまとめてプレゼンするらしく,先生から見に来ない?って誘っていただいたので,見てきた.

プレゼンは,正直,目が飛び出すほど凄い…ってほどではなかった(一人だけ,テレビの司会者みたいなヤバいうまい人がいたけど).それより,凄かったのは先生のフィードバックだな.新しい論文から情報をとっているかとか,科学的に正しいかっていうのはもちろんなんだけど,形式的な部分についてもものすごく細かくコメントしている.ここの参考文献の出し方はこうしたほうがいい,でもこういうやり方もある,みたいな.

私は“ハウツーもの”が好きなせいもあって,もっとこう「この一冊でプレゼンが分かる!」じゃないけど,マニュアル的なものがあるんだと思っていた.けれど,実際はこうやって丁寧にフィードバックをかけて,トレーニングさせているんだね.一人で練習するのも大切だと思うけど,こうやって見せた人から細かく指導してもらえたら,一人でやるときの何倍も効果が出ると思う.

今回聞けたコメントは,どれもロジカルで参考になるものばかりだったので,細かくメモをとった.あとで時間があるときにでも,まとめられたら公開するね(差し支えのない範囲で)

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