最近「高い教科書がタダになる」チャンスってのが,意外と多いことに気付いた.
例えばハリソン内科学.邦訳は3万円くらいする本だけど,先日とある先生から「新版の翻訳を手伝ってくれたら,出版の暁には1部タダでもらえます」という案内が回ってきてた.他にも,出版社の中には各学年の「代表」に“サンプル”を無料で送るところもあるみたい.ハリソンのほうは募集直後に応募が殺到してすぐ締め切られちゃったし,後の方も「代表」なりに事務仕事しなきゃならないというデメリットがあるので,まぁ,なんとも言えない部分もあるのだけれど,なかなか悪くない話ではあるよね.
しかし,タダで貰ってる人がいると思うと,俄然それ以外の本を使ってやろうという気になってしまう.近頃はiPadの普及もあって,みんなで教科書を1冊だけ買って,それを業者でデータ化して共有しているクラスメートも多いので,なおさら買うんだったら違う本にしてやろうと思ってしまう…(単なるあまのじゃくか??)
Dan Longo Anthony Fauci Dennis Kasper Stephen Hauser J. Jameson Joseph Loscalzo
McGraw-Hill Professional
Thomas W. Sadler PhD
Lippincott Williams & Wilkins
んなわけで,前から必要だなぁと感じていた本も,周りとカブらない(+値段も安い!)原著で購入することにした.図書館でしょっちゅー引いてたハリソン内科学と,常々通読する必要を感じてたラングマンの発生学.特にハリソンに関しては,困った時の広辞苑的な感じで便利ではあるものの,アメリカの臨床現場を踏まえた記述なので,わざわざ邦訳を買わなくても?と思ったところがなきにしもあらず(たぶん,臨床では邦書を引いたほうがいい)
しかし,洋書だと日本語でなんて言うのか分からなかったりして,試験前の忙しいときに参照するには圧倒的に不利なんだよね.春休みのうちだったらちょっとは読み進められるんだけど,Amazon.comからそんなに早く届くだろうか?
P.S.
今日(3月28日)さっき届いた!Amazon.comの注文履歴では,3月14日の発送で4月27日着の予定(1か月半!!)となっていたのだけど,実際には2週間で届いたことになる(確か,前回もこのくらいで届いたんじゃなかったかな).日程のタイトな注文はできないけど,それほど急がないものはAmazon.comで注文するのもいいね…ひとまず,春休み中に届いてよかった.
(2012.3.28 追記)
CNNの“Sanjay Gupta MD”が,しばらく前から更新されなくなった.
もともとは20分間番組をフルで配信していたんだけど,去年の秋頃から一部しか配信されなくなって,そのうち配信自体が止まってしまった.著作権の問題なのか,それとも採算が悪かったのだろうか…誰も書いていないので分からない.ウェブサイトでは短めのビデオをちょいちょい上げてくれてるんだけど,出先で気軽に見られるところがPodcastの良さなわけで…
そんなわけでしばらく見てなかったんだけど,さっき久々にチェックしてみたら,今年からこっそりオーディオ版での配信を再開したみたい(公式サイトにはアナウンスされてないけど…).映像が無いのは残念だけど,まぁ無いよりはよっぽどいいし,音声だけならバッテリー消費が少ない→よかった!!と思うことにしよう.
講義で何度か聴いて,面白かったので聴き続けているPodcast.リスニング力をつけたいとか,アメリカの医療についていろいろ知りたいという人にはぴったりだと思う.医療そのものはもちろん,人々の医療に対する考え方も日米では全然違うんだなーと実感できるし,海外のニュースも時々入るから,視野が広がって勉強になる.まぁ,あと…単純に司会のサンジェイがカコイイ! (・∀・)
組織学,解剖学,生化学,神経生理学…ここまでで落とした科目.いよいよ「留年」という文字が現実味を帯びてきたなwww…ということで焦り気味(というのが,いろいろ滞っている言い訳です).
基礎系の講義なら過去の遺産を食い潰していけるんだけど,3年生後半になって突然臨床系の講義がガーっと始まり,かなりしんどくなってきた.まだ3, 4科目あるんだけど,そのいくつかは再試に回ることになるだろう.
20代も峠を越えて,精神的にもヘタってきたのか,昔のように授業を聴いて記憶に留めるってことが難しくなってきたし,帰宅してからの頑張りも効かなくなったわ…周りの子は,一体どこから時間を絞り出しているのかね?試験前に集中して,あれだけできるものなのかと…頭の良さなのか,それともあれが若さというものなのか.
最近ぼんやりと思うのは,やっぱり医学部生って,薬学部生とかとは全然違うなぁということ.一言でいえば,オールマイティな人ばかりというか,社会の「上澄み」をうまーく掬ってきたの?という感じ.人間的にしっかりしている子が多くて,ガッツリ勉強して,ガッツリ遊んで,ガッツリ恋して,って感じの子が9割くらいなんじゃないかな.でも,じゃあ大人なのか?っていうと,話してる内容が凄く子どもじみてたりして,その辺がよく分からないんだけど.
いずれにせよ,バイトやお小遣いで,お金には余裕がある子が多いのは羨ましいところ…だから春休みに恋人とオーストラリア行くって子がいたり.一方では,マージャンだのギャンブルだのにつぎ込んでばかりの子もいるんだけど,じゃあそういう子は勉強してないかっていうと,私なんかよりよっぽどデキる.(もっとも,実際には遊び過ぎやひきこもりで,ドロップアウトしかかっている子も少なくなかったりするのだけど,そういう子ってそもそも姿を見せないので,言い方は悪いけど「気にならない」)
そんな環境にいると,つい自分を周囲を比較してしまって,気が滅入るばかりの日々.もっとも,重い腰を上げる後押しにもなるので,悪いことばかりとは言わないけど…なんて,クヨクヨしてる暇があるなら,来週の試験勉強でもしたほうがマシ!!
そういえば,書こうと思って忘れていた.「統合失調症」の英名,Schizophreniaが命名されてから100周年らしい.
schizo(分裂) + phrenia(横隔膜;ギリシャ時代には精神の座だと考えられていた)というわけで,日本では以前「精神分裂病」と呼ばれていた.けど,原因すらよく分かってない状況では「~症」と呼ぶべきだろうし,そもそもこの名前じゃ「理性が崩壊する!」みたいなイメージがよろしくないということで,2002年に病名が改められた.というわけで,日本の場合は,来年が統合失調症10周年ということになる.
なんでこんなこと書こうと思ってたかっていうと,BBCの記事でDavid Strangeさんという方の例が紹介されていたからなんです.なんだか,オックスフォード大学で大学院生だったらしくて,Wellcome Prizeという有名な賞を獲ったこともあるんだけど,博士課程にいたときに発病して,以降ずっと病院暮らしだったとか.なんか,医学研究を志す人間として,あとちょっと…というところで夢が断たれたという話は,聴いていて本当に胸が痛む.
100年経っても,まだ精神疾患研究の道のりは遠いのか…早く,この病気の原因が分からんことを!
病理学の課題でグリコーゲンが蓄積する病気を調べていたら,『小さな命が呼ぶとき』(2010,アメリカ;原題”Extraordinary Measures”)という映画を知った.観てみたら,今まで見たことのない良作だと思ったので,ちょっとメモ.
…ネタバレがあるので詳しくは追記に回すけど,医薬ベンチャーってどんな感じなのか,その雰囲気がよく伝わってくる作品.iPSだの抗体医薬だのというトピックになると,必ずと言っていいほどベンチャー企業が登場するけど,じゃあ実態はどんなもん?ってなると,個人的には,いまいちピンと来ないなって思っていた.そんな人にとってはいいヒントになるんじゃないかなぁという作品.
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