医師臨床研修マッチングの前に

マッチ結果が出る前に、振り返って思うことを書いておく。

私が見学に行ったのは、研修予定のないところとか現地説明会だけとかも含めると下記の12箇所(多くはないけど、少なくもないと思う)。受けたのはこのうち3つと、母校の附属病院の4箇所だった。

  1. 都立病院
  2. 大学附属病院(四国)
  3. 私立病院(南関東)
  4. 大学附属病院(東海)
  5. 企業立病院(東海)
  6. 医療法人立病院(北海道)
  7. 企業立病院(東京都区内)
  8. 企業立病院(東京都区内)
  9. 法人立病院(東京都区内)
  10. 県立病院(四国)
  11. 県立病院(沖縄)
  12. 法人立病院(南関東)

全てにおいてパーフェクト!などという都合のよい病院はないので、見れば見るほど、あちらを見ればこちらが立たずという状態に陥り、進路を決めあぐねている私は余計に迷う結果になった。けれど、それでも見学は数多く行ったほうがいい、迷ったらとにかく足を運んだほうがいいと思った。数多く行く中で考えが変わることもあるし、聞いていた噂と全く違う実情に出くわすことだってある。そして気づいたときに振り返ってみて「あ、あそこの病院のここ見たかったな」「ここは大丈夫かな」と思ったら…また足を運べばいいだけの話(私は1回ずつしか行かなかったけど!)。数多く見学に来てくれた学生を積極的に採用するところはあっても、その逆はない。要領のいい子は半日見学でもかなりのものを見てきたりするけれど、複数日、可能ならブランクをあけて複数回、それぞれ別の科を見るのがいいんだと思う(初期研修は単科ではないので)。

それだけ足を運ぶためには、早くから見学を始める必要がある。といっても早すぎると見所が分からないので(本気で検討しているところは)BSLが始まって2ヶ月くらいから、なるべく卒試まで余裕のある期間のうちに行ったらいいのではないかなと感じている。考えてみれば、一般就職でこんだけ多くの職場でインターンシップなんてできないんだから、非常に恵まれた職種なんだよ…向こうが見学に来てと言って機会をつくってくれてるのに、行かない話はないじゃなイカ?

最後に、私が使ったチェックリスト(『ねじ子のあんしんマッチング』を底本にしたもの)を、参考までに乗せておくのでどうぞ。リストで比べれば比べるほど混乱したりもするけど、そんなときは『人生は旅のようなもの。』の「研修病院の選び方」が分かりやすい。一番よく言われているのは、評価項目(一般的なものプラス個人的な評価項目)を決めて、それぞれ点数付けをしていき、単純に点数の高い順にするという方法。

情報の入手先としては(公式(医師臨床研修マッチング協議会)の右に出るものはない、というのは正論なんだけど)まず概観を掴むのには『ねじ子』がいいと思う。違う視座を提供してくれる読み物としては『研修病院選びかた御法度』もオススメ。あとは九大医学部攻略 研修病院も見方から過去問まで提供してくれるのでいいと思う(関係ないけど、見学中に偶然、このサイトのオーナーさんにご指導いただきました…なんたる狭い業界や!)。ウェブ上の読み物的なリソースとしては、週刊医学界新聞連載の『研修病院見学ルポ』などは聖路加の目線で書かれており、病院選びのとっかかりに「有名どころ」(また言うか)をざーっと眺めてみるのにいいかもしれない(注意すべきは2009年から10年にかけての記事なので年々情報が古くなる点、そして「同業他社」のレビューということであまりネガティヴなことは書いていない点)。あとは何より先輩や同期からの情報が重要になってくる、けれど結構古い情報とか主観的なノイズも混ざっているので「ぼっち」だからといって焦ることはない。結局は各種フェアなどに足を運び、興味が少しでもあれば病院を実際に見学してしまうのが一番早い(下手な考え、休むにタルタル)。

マッチングについて、質問があればコメントでもどこでもどうぞ。

研修施設概要

所在地
都市部なら最寄り駅から、地方なら(車での)買い物先や都市圏までの所要時間と距離。
病床数
床(稼働率%)
入院患者数
人/日
外来患者数
人/日
救急数(2/3次)
ウォークインは誰が見ているか。

主に「病院機能」を評価する。JCI, JCQHC, JCEP認定の有無や、設備・食堂といった労働環境を見る。スタッフについても概観はここでいいと思う(学閥はもちろん、他職種の出身や協調性も見る。ピンク病院とか、関係がギスってるとかいろいろあるので)。

待遇

雇用形態
常勤・非常勤
給与
基本給+手当(支払日も把握できたら勤務後の生活に役立つ)
社会保障
「社会保険制度完備」とあっても具体的に。
業務内容
デスクワーク中心か手技重点的か、後者ならどのような手技までできるか。
教育
セミナー・レクチャー・カンファレンス(実際に研修医が参加しているか。名目だけってところ、結構あるので)
住居
社宅・研修医居室の有無
休日
実労働時間

主に「研修機能」を評価する。一番重要と思われるのは指導体制で、指導医がどれだけいるか、本当に「指導医」として機能しているかを見る(上の病院機能として評価してもいい)。

採用

定員
倍率
採用
試験または小論文または面接

時間がかかるので、推薦状の要不要には留意。

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