シーシティ・ミュージアム
念願だった、サウサンプトンのシーシティ・ミュージアムに行ってきた。以前は、海沿いに小さな海事博物館(Maritime Museum)しかなかったのだけど、タイタニック100周年だということで、無理して大きな博物館にしたらしい。
雪は降り止んだものの、寒さの厳しい日曜日…館内はガラガラ。おいおい、いくら寒いからって、オープン1年経たずでこんな感じで大丈夫か?って不安になるくらいガラガラ。たぶん、私を含めて10人くらいしかいなかった。まぁ、そのぶんゆっくり見られたからいいけど。
予想はしてたけど、タイタニックに関する展示品はそれほど多くない。ただ、そのぶん展示方法を工夫しているので(何人かの乗員をピックアップして、彼らのストーリーを追っていくような展示になっている)なかなか「魅せる」展示にはなっていると思った。特に、映像や音声素材には気合が入っている。例えばタイタニック操舵室のシミュレーターなんか、オトナがやっても面白い。
個人的に気に入ったのは、オリンピックの喫煙室に飾られていたという“Approach to the New World”という油絵。タイタニックの喫煙室にも似たような絵(”Approach to Plymouth Harbour”)が飾られていたらしいのだけど、こちらは自由の女神をバックに、蒸気船や帆船で混み合う夕方のニューヨーク港が描かれていて、いま見てもなお新大陸への憧れや希望を湧きおこさせる絵だった。
また、特別展”Titanic the Legend”では、今までに作られたタイタニック作品の同じシーンを同時に見られるコーナーがよかった。沈没のわずか数年後に作られたドイツ映画、ナチスのプロパガンダ映画、戦後のアメリカ映画、比較的史実に忠実なイギリス映画、そしてキャメロンの『タイタニック』、もっとも最近のイタリアのアニメ作品…ちょっとアニメのは見られたものではなかったんだけど、古い作品が意外とよく撮れているのが印象的だった。
なお、ここはベルファストのような「タイタニック博物館」ではないので、ローマ時代から現在に至るまでのサウサンプトン市の歴史を紹介した展示がもうひとつの大きな柱になっている。こちらも(やっぱり展示品は多くないけど…)工夫をした展示がされていて、興味深かった。よろしければ、ぜひ行ってみてくださいな。
ということで、今日はサウサンプトンの街をぶらぶら。寝坊したので、向こうに着いたのが2時前、博物館を出たときには4時近かったのだけれど、そのあと日が暮れるまで街をだらだら歩いてきた。
いつも思うことではあるのだけれど、この町は特に「もっと時間をかけて歩けばよかったな」って思う街だった。特に旧市街は、いまでも市壁が健在で、街中にもチューダー様式の木造商家やなんかが結構残っているので、とても雰囲気がいい。今回は、チューダー・ハウスは閉館時間をギリギリ過ぎてしまって入れず、中世の商家も冬季休業だったので、機会があれば今度は夏に行きたいと思った。なんてったって港町だからね…ワイト島への船も出ていることだし、夏場に船で旅をしたりするのが気持ちいいと思うのです(冬は…ただひたすら寒いから…)
あと、なんかしらないんだけど、通りすがりの人が中国人だと思って話しかけてくる率が高かった…とはいっても2組だけど。中国語流行ってるのかね?まぁ、後のほうの親子連れは「布教のために中国語を勉強してる」って言ってたので、前の人もそうなのかもしれない。けれど、地図を広げていたら「どこか探してるの?」って教えてくれる人がいたり、お店の人とかもフレンドリーだったりと、他の街よりなんとなく馴染みやすいような印象がした。港町ってことで、昔からいろんな人が出入りしてきたせいなのかなぁ…まぁどうでもいいけど。
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