「国際協力」とは何なのか
今日は学生団体主催による講演会を聴きに行ってきた.長く国際協力に携わってきた山本敏晴さんによる講演だったのだけど,いや,とってもよかったわ.
5月に聴いたUNICEFの國井さんのお話との比較でいえば,主催が主催だけに,主に医学部生の将来の“就職先”という視点にウェイトが置かれていた印象.あと,国境なき医師団やJICAでの経験があり,かつ現在は半分フリーランスのような立場に身を置いてらっしゃるということで,率直で忌憚ない話(=ほとんど暴露トーク)が伺えたとも思う.ただ,本人もおっしゃったとおり,“学生のレベルに合わせて”だいぶ簡略化されている部分もあったので,鵜呑みにはできないとも思ったけれど.
以下,雑然と自分用に講義メモ(あくまで自分用:自分の個人的主観もごっちゃ.必要に応じて削除するかも).
将来の「職場」について:NGO(含NPO)への参加はボランティアに近く,経済面で持続性に欠け,ほとんど“自己満足”というご意見.そもそも,自分にはこれは無理そう.将来面で一番「明るい」のは国際機関への所属,次いでJICA人間開発部なのか.いずれにしても,実地の医療実践には5年間の臨床経験が必要とのことなので,とりあえずは卒業+初期研修+後期研修に専念すべきだろう(もっとも,他の3軸:ワクチン・健診・水と衛生をマネジメントするなら,別に臨床経験は必要ないけど…別にもう国際協力に行くって決めてるわけでもないし,まずは卒業を!!).
これから勉強すべきこと(一般):本気で国際協力に携わろうと思ったら,ロジカル・フレームワーク(USAIDを動かしている理論らしい)やらマトリクス理論(JICAをry)やらを学んで,公衆衛生学修士(MPH)を取るべきなんだろうけど,いまからそこを目指すのは早計だな(でも,要約「何をするか」-客観的指標「具体的にどの指標を・いつまでに・どういう数値にもっていくのか」-指標入手手段「その数値はどうやって手に入れられるのか」-外部条件「ただし~という条件を見たす場合だけこれを実行する」…っていう問題の定式化は,将来的にどの分野にいっても使えそうな考え方だし,そもそも面白そうだった).NICE等によるスタディ・ツアーやワークキャンプも,社会経験という意味では今すぐにでも参加すべきなのだろうが,少なくとも半年間は行けないので保留しておこう.あとは,PDCAサイクルとか,一般社会人としての教養も必要だが,これも追い追い.もう全部一気にできるわけがないので,まずは卒ry
これから勉強すべきこと(医学):医療は照会システムのネットワークとはいえ,最低限の救急法,内科的知識,外科的手技は身につけなきゃ…特に知識面は,もう一通り座学も終わりに近づいてるのだから,緊急性の高い疾患と(これから新興国でも急増する)メジャーな慢性疾患(NCDs)を中心に,ちゃんと脳内で整理する必要性を実感.
言語について:国連公用語は英語・ロシア語・中国語・フランス語・アラビア語・スペイン語の6つ.第二外国語をどれか1つ選ぶならフランス語とのこと(アフリカなど広い範囲で通用するから).夏学期には,ヨーロッパで重要そうなフランス語とドイツ語を両方勉強しようとして案の定,共倒れした(EU内部の作業言語は英語・フランス語・ドイツ語で,近頃はドイツが好調だからドイツ語もやろうと思った).冬学期はフランス語1本に絞って,もっとマジメにやることにしよう.
3.11との関連において:緊急援助ではまず食物と水,それから住居だという話,それから医療機関の社会的責任(hospital social responsibility)の話を聴いていると,震災後の石巻赤十字病院が,水の再確保に奔走した話や,感染症予防の一般向け説明会をしていた話を思い出した.NGOでボランティアをしたら帰国後に地域医療に還元してね,という話が出たのだけれど,確かに国際協力(というか公衆衛生)の知識は,もっと身近なところで役立ちそうだ.
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