チェルノブイリを嗤える?
「BS世界のドキュメンタリー」で“Chernobyl Nuclear Disaster”(2006, BBC/Discovery/ProSieben)を観た.チェルノブイリ事故発生からの数日を,ドラマ形式で再現したドキュメンタリーなんだけど,とてもよくできていた(まぁ,制作が英語圏なんで,みんな英語喋ってるけど…)
“語り手”として登場する事故調査委員会の責任者,ワレリー・レガソフは,共産党員として政治的権威を守ることと,科学者として科学的事実を公表することとの狭間で苦しみ,最後には縊頸という悲劇的な最後を迎える.彼は生前「秘密主義は大惨事を引き起こす」と言っていたそうだ.秘密主義は,原子力分野に限らず,医療でも,教育でも,あるいはどんな職業であっても直面する壁だろう.そこにはそうせざるを得ない事情もあるし,合理的な点もあるけれど,彼の言ったように代償として損なわれるものもある.そのバランスをどうするのか…この言葉は私たち誰もが重く受け止めなければならない言葉だろう.
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