コンテイジョン

『コンテイジョン』観てきた!…これで2度目だけど.

いろいろ書きたいことはあるけれど,一言でいえば非常によくできた映画だった.原作がSARSやH1N1豚フルなどの事例をよく取材していたとのことで,脚本が素晴らしくよくできているんだけど,それをよく映像化したと言いたい.映像や音楽は,錯綜するカットと静謐をうまく使い分けていて,恐怖・絶望・狂気・悲しみといった感情が鮮烈に表現されている.出てくる組織やセットも,とても科学的・現実的でクールだった(『猿の惑星:創世記』に出てくる製薬企業の描写と比べるといいと思う…あれが最近観た中で一番ヒドい例だ).会話の内容もとても知的でエレガント.そして,なにより,登場人物の一人ひとりが恐ろしいほどよく表現されている…WHO職員のストックホルム症候群や,疾病予防センターの現場監督のストレスから,冒頭にたったワンシーンだけ登場する医師の些細な困惑まで.有名どころの俳優を惜しむことなく使い捨てる(特にケイト・ウィンスレット)ところは,どことなく『サイコ』を思わせるところがあり,また最高(注:キャグではない)

ただ,分かる人が観るとたまらない映画!という感じゆえに,じゃあ一般受けするか?って訊かれると,正直,難しいような気がする.ドキュメンタリータッチ過ぎるきらいもあるし,(その結果として)生々しいというか,正直グロい描写もある.実際,今日は母と観に行ったんだけど,母はちょっと苦手な感じだったみたい.

でも,しつこいようだけど,個人的には凄く気に入った映画.もしまだ観ていなかったら,特に医薬・生命科学に興味のある方には,自信をもってお勧めしたい映画です.

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