国や社会…そしてみんなに,異議を唱えられるか?
劇作家・坂手洋二さんのブログに引用されていた,伊丹万作監督の「戦争責任者の問題」という文章を読んだ.彼の「だまされるということ自体がすでに一つの悪である」という主張には,なるほどなぁと思うところがある(と同時に,ちょっと反省する).
そして,佐々木中さんのSnapper’s Delight.ブログが始まった当初は,素人が写真をパチパチ撮って,何かを成し遂げたような気になってるだけかと思ってたんだけど,続けて見ているうちに,何か一貫した主張を感じた.特に,権力に対する抵抗の眼差しだ.
それから,NHKのETV特集でやっていた「亡命詩人の憂鬱」のこと.天安門事件に関わった結果,その後ずっと社会から排斥され続け,社会の最底辺にあえぐ人々を見ていると,いろいろと考えてしまう.
ここに挙げた人たちの,ベクトルの向きは必ずしも同じではない.けれど,きちんと声をあげて,巨大な集団に立ち向かっていく勇気は共通していると思う.凄いな,と思うと同時に,同じことは私にはできるだろうか?私がしていいのだろうか?と悩んでしまう.
できないな,というのが今の私の結論.異議を唱えるには,私はあまりにも従順に育てられすぎている.もしかしたら後々「後暗い過去」として後ろ指を指されるかもしれないと思うと,怖い.それに,投獄され「暴徒」というレッテルを張られた中国人商店主が,釈放後に親に土下座したことを語る時の涙を見ると,なおさらそんなことはできないと思ってしまう.でも,本当なら誰もが声をあげなくてはならない,誰もが成さねばならないことでもあろうかと思う.
うーん,難しい.
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