琴線って?

―日曜日、渋谷の街角へ。お待ちかね、新海さんの新作『秒速5センチメートル』を見てきました。公開2日目、舞台挨拶のある最後の回です。しかし舞台挨拶を何回もやるなんて親切だよねぇ。飛び入りで天門さんも来てくれてたし、すげぇー(笑)。…さて、とりあえず感想とかは、ネタバレもあるんで続きに書くことにして。
いやぁ、それにしても休日に都内に特攻(!)したのは久々です。あんまり得意じゃないんだよねぇ、特に渋谷とかは。カッコイイにーちゃんとかオシャレなねーちゃんとかがイッパイでしょ?今まで”地味”という名の反属性を帯びて生きてきた私には、とてもとても…。まぁ、そんなこと言いつつも、結局懲りずに『ドラえもん』とか大量にレンタルしてきたけど(爆)。最初に半額クーポンの提示を忘れたら、レジの表示が3000円近くになったので焦ったわ。気づいたんなら、店員さんも一言くらい言ってくれりゃあいいのに…ブツブツ。
そういえば、昨日はひなまつりだったんですね。ウチでもやっと昨日になって雛人形を出しました。雛人形はすぐに仕舞わないと縁起が悪いって言いますけど、我が家では旧暦の3月3日(上巳の節句)まで出しっぱなしの予定(笑)。

で、肝心の新作なんですが。

正直な感想を言ってしまうと、手放しに「美しい、いい話」とは言えないかな。前作の『雲の向こう、約束の場所』は、何となく、無難な”娯楽映画”として作ったのかなぁ~という印象でしたが、これはちょっと違う。まぁ、『桜花抄』だけは気楽に見ても悪くないかなっていうステキ作品だったんですけど。
映画館を出るときに「男の方なんかどうしよーもねーじゃん」って言ってる人がいたけど、多分この人のコメントが私の感想の芯を突いていると思う。主人公の貴樹は、いつまでも過去の思い出に振り回されて、そこにある幸せにも気づかないままに、だんだんと色褪せていく。一方で明里は、なんだかんだいっても、結局は思い出を思い出として心にしまって、目の前をしっかり見て生きていく。実際の人生もそうなのかもしれない。男性は思い出の品をとっておくけど、女性は別れるとすぐ元カレのものは捨てるって言われるくらいだし。
でも最近、そういうのが面倒なんだよねー。そういう”大人の事情”に対して、生理的嫌悪すら覚える。そんな私にとっては、この作品(の特に後半)は、世界がどんどん色褪せていくような衝撃があった。少なくとも、映画の1シーンにも出てきた電車に乗って帰るとき、窓越しに見える景色は普段よりも沈んで見えた気がする。
それでも、映画を見ている1時間はとても永く感じられたから、いろんな意味で充実した映画だったと思う(新海作品並みに没頭できる映画って滅多に無いんじゃないかな)。そもそも、この作品の風景描写は間違いなく美しいし、それにどんな形であれ、”恋愛”を描いているアニメーションって貴重だと思う。一見の価値はありますよ!シネマライズって映画館も、ウェブのコメントで見たほど酷い映画館じゃなかったし(汗)。

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